はじめに・1

    はじめに、この書物は、ガリア帝国に対抗するため英雄武装を研究した際に、英霊と呼ばれる存在がどのような存在だったのかということを研究した結果を記している。

    すべては、私の弟であるエルネストが一本の英雄武装を持ち帰ったことから始まる。その英雄武装を持ったとき、私はなんだか懐かしい感じを覚えた。エルネストも同様に、懐かしい感じがしたと話している。そこで、私はこの不思議な力を持ち、謎多く包まれた、英雄武装の謎のひもを解くために、英雄武装の力の源であるもの――英霊と呼ばれるその力の根源を調べることにした。

    英霊とは、恐らくではあるが生前になんらかの行い――例えば、力ある存在や偉業を成したものではないだろうか、と考えられる。その仮説を証明するために、我が国が誇る蔵書数を持つバレンシア王立図書館(Valenciana Royal Library)で、太古の世界について調べることにした。様々な文献を調べることによって太古の世界について以下のことが解った。

    ◆太古の世界は、巨人が産まれたことによって創られたこと。
    ◆その世界では、人間とは違った存在がいたこと。
    ◆そして、その存在が滅亡した理由。
    ◆英雄武装に固着された英霊は、この時代の存在が多いこと。
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