レーヴァテインとは・1

    レーヴァテインとは、『グロアの呪文』と『フィヨルスヴィドの歌』に登場する武器である。レーヴァテインの名前を直訳すると「厄災の枝」、「傷つける枝」、「裏切りの枝」という意味となるが、ケニング(古ノルド語で使われる比喩表現のようなもの一つに「〜の枝」で「剣」を意味することから、レーヴァテインは剣とされていることが多い。

    レーヴァテインは、奸計の神ロキがニヴルヘイムの門の前でルーン文字を用いて鍛え創ったと言われている。それが、どういう経緯か謎に包まれているがムスペッルスヘイムにいるスルトの妻、シンモラの手に渡り彼女によって特別な箱に9つの鍵をかけ収められた。

    『フィヨルスヴィドの歌』によればスヴィプダーグがメングラッドに逢うために必要な武器と言われている。メングラッドの館は番犬によって門を固く守られていた上に、館自身が炎に包まれているため周りからも入ることが出来なかった。困ったスヴィプダーグは同様に館を守っていた巨人に訪ねることにしたのである。

    「どうすれば、館の中に入れるんだ?」
    「わしは、おまえを中に入れてやってもいいが番犬はそうはいかないだろう。番犬の気を 惹きたければユグドラシルの頂上にいる雄鳥、ヴィゾフニルの手羽が二枚必要だ」
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