ミョルニルとは・1

    ミョルニルとは、太古の世界でアース神族最強と謳われたトールが持っていた鎚状の斧である。神々の持つ武器の中で唯一無比、効果的に巨人たちに対抗出来た斧とされている。対象に投げれば実に命中し即座に手元に戻り、ミョルニル自身から稲妻を発生させるその力で圧倒的な数の巨人たちを殴り殺している。しかし、このミョルニルは神々が誰でも扱えた訳ではなく、トールとその息子しか扱うことはできなかった。なぜならば、ミョルニルは大きさを自由自在に変化出来るというコンパクトさはあるものの、非常に重たくさらには稲妻を宿しているため高熱を放っていたためである。トール自身もミョルニルを扱う際には、自身の力を倍増させる魔法のベルトと、高熱対策と手元に戻ってきた際の衝撃緩和用に魔法の鉄製の手袋をはめないと扱えなかったほどである。しかし面白いことにミョルニルは武器という一面だけではなく、祝福の道具としても扱われていたのである。では、この太古の世界最強の武器とされるミョルニルはどうように創られたのかを語っていこう。

    ミョルニルは、ドワーフ族の兄弟ブロッグとシンドリによって創られたものである。かつて、奸計の神ロキは別のドワーフ族たちにグングニルを創らせたことがあった。その出来の良さに喜んだ彼は、ドワーフ族の兄弟にグングニルよりも勝る品を創ってみろと自分の頭を賞品に話を持ちかけたのである。ドワーフ族の兄弟は面白そうだからと快く引き受け、早速ふいご(金属の精錬や加工などの際に、

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