箒とは・1

    『輝きの杖』とは、ヴァン神族の豊穣神フレイの従者であり友人でもある、スキールニルが創り出した杖である。名前の由来は、スキールニルの名前を意味する『輝く者』から後生の人が付けたからだと言われている。別名として、「スキールニルの杖」や「呪いの杖」、「魔法の杖」などがあり、また「災いの杖」とも呼ぶことから「レーヴァテイン」と同一視されることもある。なぜ、『輝きの杖』にも関わらず、「呪い」や「災い」など別名を持つのだろうか。すべては、この杖が創られた理由にある。

    前述した通りスキールニルは、フレイの従者であり友人であった。ある日、フレイが悩みを抱えていることを知ると相談に乗った。その悩みとは、彼がたまたま見かけた巨人族の女性、ゲルズに恋をしたことだったのである。ただの恋なら良かったものの、太古の世界では神々と巨人は敵対同士。彼は叶わぬ恋と知りながら、あきらめることもできずに悩んでいたのである。そこで、スキールニルは彼の愛剣と愛馬をもらい受ける代わりに彼女との恋を叶えると約束したのである。

    フレイの恋を叶えるため、スキールニルはまずゲルズに神々の若さの元である黄金のリンゴを十一個差し出し、フレイと結婚して

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