優しき魔女 オズ・1

    オズは、ユーラメカ大陸古くから伝わる絵本の中に住む魔法使いである。この絵本の著者は不明で、不思議な力が備わっていた。しばしば、その絵本を読んでいる老若男女問わず絵本の中に吸い込まれてしまうことがあった。しかし、吸い込まれた人物の大半は短くて一週間、永くとも一年ほどで戻ってきている。戻ってきた者から話を聞くと、絵本の中でオズと出会い、オズに「えへへ、絵本の中から出してほしいですか? じゃあね、わたしにきみの世界のこと教えてほしいなんだよっ!」と言われる。そして自分たちの話をすると外に帰してくれたようだった。たわいのない話でもオズは楽しそうに聞き、絵本から外に出てみたい様子だったようだ。

    ある日のこと、ユーラメカ大陸の外れにある貧しい村に一人の少女が訪れる。その村の村人たちは貧しいながらも一所懸命に生きていた。少女が村に着いた直後、地震が起き、子どもの上に大きな岩が落ちてきたのである。岩が子どもをつぶそうと迫る中、少女は手に持っていた杖を岩に向け、火の玉を発生させ、岩を破壊。子どもを救ったのである。

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