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とにかく、女の子たちがかわいいです。けなげで一生懸命なセフィに、ちょっと変態っぽいですが美少女なメルローズ、焼きもちやきなところがかわいらしいティノン、天然癒し系パルティと、個性的で魅力的で愛くるしい女の子たちが揃っています。
主人公のクレイスと女の子たちとの掛け合いも楽しく、にやにやしてしまいます。こんな素敵な女の子たちに囲まれているクレイスが本当にうらやましい。まあ、いろいろ理不尽な目に遭うこともあったりなかったりするのですが……。
もちろん、魅力的なのは女の子たちだけではありません。
イアルという魔法世界を舞台に、クレイスを中心として語られる物語。かつては腕利きの魔法剣士であったが、いまはどこか投げやりな生き方をしているクレイスのもとに、吟遊詩人の少女セフィが旅の護衛を依頼してくる。そこから物語ははじまります。
子供は嫌いとセフィに冷たい態度を取りながらも、彼女に危険が忍び寄ると必死で護ろうとするクレイス。そんな彼の本質的な優しさをすでに知っていたかのようなセフィ。クレイスの過去にいったいなにがあったのか。クレイスに護衛を依頼したセフィの目的とは。そして、クレイスたちの前に現れる謎の人物。先の気になるストーリー展開で、プレイヤーを飽きさせません。
音楽も素晴らしく、アクション戦闘も楽しい。オープニングや要所要所で挿入されるアニメーションムービーも良質で、物語を盛り上げてくれます。ムービーの中で動き回る女の子たちももちろんかわいく……それはもういいですね、すみません。
ミマナイアルクロニクルは、どこか懐かしい雰囲気と安心感のある、正統派ロールプレイングゲームだと思います。
正統派だけど、でも凡庸ではない楽しさを秘めた、良作ゲーム。
オススメです!
「あの風」
王道とは、力強くて、まっすぐなもの。
それだけに、生み出すことは勇気が要る。
まして今現在、ドラクエ以来の王道直球なファンタジーを扱うことには勇気が要るようになってしまった。
血と暴力「も」扱いようによってはスタイリッシュと認定されてそれが加速し、「リアル」であることが至上とされがちになって久しい。
でも、それだけでは困る。
ひねくれた主人公が唇を斜めにゆがめて世界を嘲笑し、あるいは純粋なキャラクターが世に絶望して虚ろな眼で呟いて、圧倒的な暴力こそ爆発するものだけがクールという訳ではないだろうが、そういうのがもてはやされているのも事実。
そうでなければ言葉だけは難しいが現実味の無い主役の悩みと、「敵」と書いてあるだけの敵、設定を並べただけの「緻密さ」、行き当たりばったりでキャラクターの整合性さえ取れていない薄っぺらな「思わぬ展開」…………創作物は現実の鏡というのならこれもまた真理ではあるし、実を言えば嫌いじゃない……けど「そればかり」なのはうんざりだ。
やっぱり王道が欲しい。
だからこのゲームに期待する。
オープニングだけでもその期待度が増そうというもので、ほんの少し遊ばせて貰っただけでワクワクしている。
息せき切って家に帰ってはゲーム機のスイッチを入れてた頃、ゲームソフトが身にまとっていた「輝き」と画面の中から吹き付けていた、とても広い世界の「風」の気配を感じて。
その「輝き」は脳内保管された輝きかもしれない。
だが、そのままの「輝き」ではないか……私はそう期待している。
かつて「LUNAR」のストーリーを友人に聞かされて「そんなことが出来るのか!」と打ち震えた身としては特に。
ゲームとしての、ゲームでしかできない物語の王道を、久々に見せてくれると信じて。
神野オキナ拝
「地獄の底までお友だち」 夏緑
ミマナ・イアル・クロニクル(以下ミマナ)。
中島鯛先生のイラストが可愛く、主人公たちもそれぞれ何かを背負いながらも軽い掛け合い漫才がメインのライトな世界観、美形の悪役も出てきて、ラノベを読んでいるような軽快さが楽しめるゲームでした。
ゲームに入るまでのスピード感が良いです。電源を入れてからオープニングが終わるまでにおよそ二分、そこからもうゲームがスタートできます。
ゲームは小さな町の居酒屋から始まります。ここで、人と話す・調べるなどの基本操作をプレイしながら覚えられるので、取説を読まなくてもサクサク進められます。
また主人公も仲間たちも基本的な装備は既に全て整っている状態ですから、ゲーム開始から五分もすれば戦闘を始められます。ゲーム開始後十分の間のサクサク感がとても心地よく、じっくり腰をすえなくてもどんどん遊んでいけます。
もちろん、先に街の中をじっくり見て回ってもかまいません。ヨーロッパ風の町並みが綺麗ですが、一番お気に入りなのは魔道幹線の駅の壮大さと、オドンベイ村の黒猫魔法店の可愛らしい店内。ゲームの合間に、一度訪れてみてください。
「水」をテーマにした作品だけに、フィールドでは、小さな滝を水が流れ落ちる表現やせせらぎの音が美しいです。
戦闘は、リアルタイムアクションです。ヒットに軸と射程が関係してきますから、なかなか敵を倒せないときは軸をずらしてみましょう。戦闘時の仲間の配置なども決められるので、多彩な戦略が可能です。クレイスは魔法も使えますが、打撃系の仲間が増えるまでは、前線を守るため打撃攻撃専門にしたほうが良いでしょう。
仲間キャラが全部女の子なので、戦闘画面も華やかです。序盤はセフィが補助魔法を使うため竪琴を奏でて緊迫感なく歌っている姿が可愛く、中盤ではヤンデレ眼鏡娘メルローズやボクっ娘押しかけ嫁(違うぞ)ティノンのおかげで戦闘がド派手に。戦闘開始と同時に、足元に魔方陣が浮かび上がり、スカートがひるがえる姿はカッコ良くて、思わず胸が高鳴ります。
戦闘時は、メルローズのギャグと非道が交互に来る攻撃魔法や、クレイスより早く最前線に突っ走るティノンも頼もしく、キャラの声も入ってにぎやかです。ときどき敵の前でも掛け合いが始まって、クレイスは遠足の引率状態です(笑)。
この世界には防具屋はありますが、武器屋がありません。宝箱の中にも武器は入っていません。この世界では、武器には「魔導石」という石を埋め込むことで、属性や攻撃力を変化させることができるシステムになっています。
なかなか敵に勝てないときは、強い魔導石を買って装備するとステータスが上がります。そのへんの、このゲームにおける特殊なルールについては、魔導石屋にいるおじさんが懇切丁寧に教えてくれますから、取説無しでも進めていけます。
ストーリー性重視のRPGというだけあって、何よりも魅力的なのはキャラクターです。
主人公クレイスはジャンプ漫画の王道を行くような「陰のある熱血漢」で、少々歪んでいますが心の底には主人公らしいまっすぐさを持っています。鬼のようなツンデレで、何度訂正されてもセフィを「チビ助」呼ばわりし続ける毒舌君ですが、ギルドの仲間にはいじられキャラとして認識されている様子。すぐにキレて怒鳴る姿も可愛いのですが、いつも怒っているクレイスの、ごくたまに見せる微笑みがとにかく可愛いです。ま、クレイスの微笑みなんて、中ボスよりもエンカウント率低いんですけどね……。
メインヒロインのセフィは文句無く可愛らしく、戦闘時にも精一杯補助してくれます。幼なじみのパルティも、年下ですがお姉さんらしくクレイスを支えてくれます。特に全キャラ中、唯一私室が登場するパルティですが、カントリー調の可愛いインテリアや、本棚と机があって勉強熱心さがうかがえる寝室など、彼女らしさが丁寧に表現されています。
しかし、私の中での一番はやはりメルローズ。ナントヤラと紙一重の天才魔法少女で、態度はラスボスより巨大ですが、ギャグ担当、かつ非常識なほど強い。彼女には色恋よりも魔道を極めて欲しいものですが、少女の身で重責を背負いながらも「心地よい重さ」と軽く言い飛ばす豪胆さの裏の、宿屋でほんの少しだけ見せる素顔もなかなか惹かれてしまいます。
その他の街の中の通行人たちのセリフもひとつひとつよく練られていて、ユーモアのあるものが多く、楽しいものになっています。
敵サイドでは美形担当(違うぞ)が、笑顔の怖いエルダル。渋い声担当(それも違う)が黒騎士アレース。しかしやはり存在感が突出しているのが、エルダルが操る美少女ホムンクルスのフェイデ(以下「眠り目さん」)です。
眠り目さんは強い上に、ムービーでも戦闘シーンでも動きが虫っぽくて、良い味出しています。最初はただの下っ端の使い魔だと思っていた眠り目さん、意外にストーリーの中核にも関わってくるようで……?
戦闘時やフィールド移動時のミニキャラも、それぞれ作りこまれています。針の先で突いたように小さいですが、メルローズのピコピコピヨコちゃん三号や、パルティが戦闘時に持っている黒猫の杖は、かなり可愛くてちょっと欲しいです。
そして、このゲームの「もうひとつの舞台」は宿屋です。
フィールドでの冒険とは別に、仲間が増えてくると、ミッションがひとつ終わるたびに宿屋でクレイスがどの仲間と親密に過ごすかによって、エンディングが変わってきます。エルダルは攻略できないですかそうですか。
また次にどこに行けばいいのか判らなくなったときも、一度宿屋に戻ってみると、進めるときがあります。宿屋を拠点にして、冒険も恋も攻略して行きましょう(笑)。
フィールドでは、極端に強い敵には遭遇しないよう、レベルに合わない場所には行けないようになっているので、うっかり瞬殺される危険はありません。ダンジョンも基本的には一本道が多く初心者向けで、最初の三つぐらいはサクサク進めるのですが、だんだんダンジョンが巨大化・複雑化し、縦横だけではなくクォータービューを用いた斜め移動も増えてきて、難しくなってきます。
ダンジョン内で迷ったときの脱出方法も基本的には無いので、昔ながらの「方眼紙と鉛筆」を用意して、マップを作りながら進むのが良いかと思われます。
ダンジョン間の移動は、フィールドマップをハブとしたインターフェイスになっているのですが、実際のハブは城の外に広がるタリム森ですから、ここをサクサク移動できるよう、タリム森のマップだけでも作っておいたほうがいいでしょう。
ダンジョンは全部の部屋を回らなくてもクリアできるので、やりこみたい人はやりこめばいいし、サクサク進みたい人は魔導石だけ取って次に行っちゃえば良いという自由度があります。意外な場所が進めたりするので、詰まったときは進めるかどうか念のため、捜してみると良いです。特定の場所へ行かないと、ダンジョンクリアのためのフラグが立たない場合もあるので、迷ったらスタート地点に戻ってみたり、ウロウロしまくってみてください。
最後になりましたが、ミマナは音楽がメチャクチャ良いです。オープニングをはじめとして、憂いのあるプリミティヴな音色が主体で、陰のある主人公クレイスの、神秘的な伝説の世界での孤独な放浪がよく表現されています。スピードと躍動感のあるオープニングアニメも、気になるフラッシュバック満載で冒険の気分を盛り上げます。ゲームのヒントも隠されているかも?
とりあえず十二歳の水浴びシーンと、十二歳にひんむかれかける九歳は必見かも。ネコミミの概念の真逆を行くネコミミさんにも注目です。しかしやっぱり個人的には、徐々に笑顔が増えてくるクレイスと、徐々に邪悪化していくメルローズが良いですね。
他のキャラはほとんど表情のすげかえですが、メルローズだけは全身で表情が変化して、セリフも凝っており、製作サイドの愛情を感じずにはいられません。「私たちお友だち、地獄の底までお友だち」は、冒険者らしい名言だと思います。
「他のRPGに飽きたとき、戻ってこられる存在」
イアルクロニクルは、これは現代とは異なる異世界「イアル」を舞台にした、ファンタジーRPGだ。
グラフィックは、ガンホーのMMOラグナロクオンラインを彷彿とさせるクォータービューで、ディフォルメ化されたキャラクターたちがちょこまか動き回る。モンスターも含め、かなり可愛い。
ストーリーはありがちな剣と魔法の物語だが、それだけに内容は手堅い。主人公は金で動く傭兵だが過去は謎に満ちており、ゲームを進めないとはっきりした正体は分からない。さらに吟遊詩人の少女がやはり謎に満ちた依頼を持ち込んでおり、五里霧中のまま話は進んでいく。プレイヤーは謎への興味をいくつもちらつかされながら、ゲームをしていくことになる。
単純に見ただけでは良さの分かりづらいゲームだ。ただし操作性はかなり楽なので、楽にゲームを進めることができる。手堅いストーリーということもあり、取っつきにくさはない。
目新しさはないが、古くささも感じない。分かりやすいストーリーとストレスのない戦闘システムが、敷居の低さに貢献している。
これは多分、ご飯と味噌汁みたいなゲームなのだと思う。華美なグラフィックや奇をてらった戦闘システムは豪勢なフランス料理みたいなもので、食べると確かにおいしいが、いつかは飽きてくる。そんなときは優しくて単純なものが恋しくなる。
他のRPGに飽きたとき、戻ってこられる存在。ミマナ・イアルクロニクルはそんなゲームだ。