箒とは・1

    箒(ほうき)とは、私たちが良く目にするあの掃除道具でもある箒である。しかし、箒というものは掃除用具という面以外にも様々な呪術的な役割を持っているのである。特にウィザードやウィッチクラスには欠かせず、よくイメージされる箒を持った魔法使いは、とんがり帽子をかぶり黒いマントを羽織った老婆というおとぎ話で良くみる姿である。箒については、カスティリア王国にも面白い言い伝えも残っている。

    箒は、主に空を飛ぶために使われることが多い。他にも、自身の魔力を高めてることに適していたため、強力な魔法を唱える時にも使われていた。どんな素材で作られた箒でも良かった訳ではなく、樫の枝を柄にし、わらを総にしたものや東方の島国では竹を柄にしたものなどが良く使われている。しかも、魔法使いが使えるようになるほどの箒になるためには、清められ箒自体の魔力を増幅させなければならないのである。そのため、魔法使いが使う箒は稀少なのである。

    では、なぜ箒が魔力をためやすく呪術的にも扱われていたのかというと、その鍵を解く伝承がカスティリア王国に残っている。東方の島国にある最古の書物に「玉箒(たまぼうき)」という言葉で出てくる。この「玉」という言葉は人の魂を意味し、葬儀の時には「帚持(ははきもち)」という墓所を清める役目の人が参列するという。

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