エルフ族の人間 フェアリー・2
    であった、巨大な金の斧だったのである。フェアリーは斧を受け取りお礼を言うと疾風怒濤の勢いで洞窟に向かったのである。洞窟に向かうにつれ、森が毒々しくなっていったのである。光はほとんど届かず、狼のうなり声鳴き声が四方八方から聞こえてきた。しかし、立ち止まることもなく洞窟へたどり着いたのである。

    洞窟の入り口には、見張りと思われるゴブリンが居た。フェアリーは、いち早く苔を持ってみんなの元に戻りたかったため、猪突猛進、獅子奮迅、正面突破を試みた。ゴブリンの武器はカトラスと呼ばれる湾曲した剣。対するフェアリーは巨大な斧。圧倒的な力の差である。フェアリーは、見張りを倒すとそのまま洞窟内へ突入。狭い洞窟の中、巧みに斧を操りゴブリンたちを押しのけていく。そして、まさに求める光の苔を見つけた瞬間、通常のゴブリンの三倍はあろうかと思われる巨大な生物が立ちふさがったのである。その生物とはホブゴブリンと呼ばれる怪物で、ゴブリンの親玉であった。ホブゴブリンは手にする、フェアリーと同等のサイズの斧を振り下ろす。フェアリーは、手にした斧で受け止めるが力の差が歴然としていた。フェアリーは、その勢いに負け吹き飛ばされてしまったのである。

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