
この世界には、人狼や巨人のような、『闇の者』と
呼ばれる種族が多数存在しています。

ターブルロンド周辺の地域において、闇の者を支配する
闇の王。それが黒貴族です。
強大な力を持つ吸血鬼であり、かつてこの地を残酷に
支配して、当時の人類を苦しめました。

数百年前に『騎士王』によって、王国の辺境に封印された
彼ですが、その存在は滅びることなく、以後も何度となく
復活しています。
そのたびに当時の王や騎士たちによって再封印されてきた
のですが、数十年前の復活の際には、とうとう封印できない
ままに終わってしまいました。

それ以来黒貴族は、王国の辺境に陣取り、そこを気まぐれ
に統治しています。騎士たちにとっては屈辱的な状態ですが、
下手に刺激して争いになっても勝てないため、黙認せざ
るを得ない状態です。

『黒貴族』とはそもそも彼の本名ではなく、仮初の領主
として振舞う姿を、領主に見立てて呼ぶ『あだ名』でしか
ありません。
彼の本名は忌まわしき名前として、口に出すことを戒められ
ています。

彼自身は冷酷で気まぐれな性格です。
美を好み、気に入ったものや気に入った人間は、自分の城に
さらってコレクションにしてしまうといわれています。