
先王の盟友であり、王国の戦力を束ねる将軍でもあった、
公私を問わぬ先王の忠臣。

妻が王女の乳母を務めたこともあり、王家の面々とは
まるで家族のような付き合いがあります。王女にとっては、
父亡き後、もっとも頼れる人物といえるでしょう。

若い頃はかなりの武闘派として知られ、現在でもその
肉体は衰えません。
年を取り、性格もだいぶ丸くはなってきましたが、怒らせた
ときの迫力は往年の彼を忍ばせるものです。

強者に媚びず、弱者に優しい性格のため、慕うものは
多く、特に中堅どころの騎士達に敬愛されています。

実際、事あるごとに王女を貶めようとする宰相を、正面
切って止められるのはこのシルヴェストルだけです。
残念ながら口では宰相に勝てませんが、その堂々たる風格と、
正義を愛する魂は、宰相さえもたじろがせるのです。

しかしそんな彼も、王女の前では優しいおじいちゃんと
なります。
服を買ってくれたり、おいしいものを送ってくれたり、
王女領が苦しいときは資金援助をしてくれたりと、
あまやかし放題です。息子ばかりで娘が居ないため、余計に
かわいがりたいのかもしれません。
その光景は、厳しくしつけられた息子のヴィンフリート
としては、少々複雑なようですが。

妻をだいぶ以前に亡くしているのですが、再婚する
つもりはないようです。

またヴィンフリートとは、価値観の違いから折り合いが
悪く、時に意地の張り合いのようになってしまうことも。
騎士としては一つの理想の姿である彼も、家庭の主と
しては、若干恵まれていないのかもしれません。