先日「エコロジーオンライン」というHPのインタビューがありました。
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面白おかしいこと話すのはプロデューサーの仕事なので、1時間ほどいろいろお話ししたわけですが、絶対に譲れない明確なコンセプトを書いていただいたので、今回はちょっとエコから離れちゃうかもしれませんが、エコリスにおける「エコとゲームの関係」について書きます。
ずばり。エコリスは「教育ソフト」ではありません。明確に「ゲーム」です。個人的には現時点で国内最高のリアルタイムストラテジー(RTS)。私は人生の半分、約20年ほどゲームの制作現場に企画さんとして携わってきましたので、そりゃもうゲーム創るのは上手いはずです、たぶん。
(ほとんどのタイトルが社外のものなのでここには書けませんが……)
そんな私がエコ関係の「教育ソフト」を創ったって、その道のプロから見れば間違った知識だらけのものになってしまいます。だからエコに興味を持てるような「ゲーム」を創ってみました。この試みが成功する絶対条件はゲームが面白いことです。
RTSが国内でいまいち流行っていない理由は、日本のゲーム市場において家庭用ゲーム機のシェアが圧倒的なことです。RTSはマウス操作を基本にしてますから、PCゲームがある程度シェアを持っていないと厳しいわけです。ホントに家庭用ゲーム機のコントローラはRTSに向いていませんから。そこへDSです。タッチペンです。こりゃ面白いRTSが創れるぞと。もちろんバリバリのコアユーザー向けハードではないので、キャラやシステム、バランスなどが幅広い層に受け入れられる、ちょっとライトなRTSであるべきです。
まずユニットができる限りたくさん出るのは必須。でも戦車や戦闘機のように動きに制限がありまくるのは嫌だし、人間や動物がばんばん死んじゃうゲームも嫌。そこで味方はマナのエネルギーが実体化した精霊(やられてもエネルギーに戻るだけ)、敵はメカメカ軍団にしました。またたくさん出すためには描画はもちろん、CPU負荷もバカにならないので、ちょっとくらい言うこと聞かなかったり、アホなことしても「カワイイから許す!」という見た目にしました。
次にバランス。木を植えることで森のマナが増え、それに従って操作できるユニットが増えたり、各ユニットの性能が上がったりするわけですが、経験値稼ぎをして圧倒的戦力で戦うことも可能です。RTSが初めてだというユーザーが大多数だと思うので、そこはかとなくRPGの香りをさせ、とっつきやすくしました。
さらに味方は性能がわかりやすく、敵はバラエティに富んでいる方が面白い。なので味方は3タイプ×亜種いっぱい、敵はすげえいろいろな奴らにしました。これは二極対立系シナリオの基本でもあって、たとえば味方は○○ダムと○○キャノンと○○タンクしかいないのに、敵は鬼のようにバラエティに富んだ新型をがんがん投入してくるアニメを、私は心から愛しています。愛してますよ、ええ。
最後にとにかく操作しているだけで楽しい、直感的なのに未体験という操作感にしました。RTSって多くのキャラをストレスなく同時に操作することがすごく重要なので、ここにはかなりこだわって創ってます。ストレスを感じる暇など微塵も与えませんよ。
とっつきやすいけど奥が深い、ライトなRTSが広まったとき「キッカケはエコリスだった」「ヤツこそがパイオニアだ」と言われるようなタイトルを目指しました。もちろんエコゲームが広まったときも同様です。国内だけでなく世界でね。
とんでもない費用と時間をかけて創ったわけではないので、少なくとも豪華絢爛なタイトルではありませんが、もうね、創った自分でいうのも何だけどマジ面白い。仕事なの忘れてやり込みまくったもん。開発陣の愛情がいっぱい詰まってますよ。
ゲームの何がいいって主人公に感情移入しやすいんですよね。だからエコリスを楽しんでくれたら、きっと無駄な、無計画な森林破壊には憤りを感じるはずなんですよ。ゲームで環境問題に貢献するベストな方法だと私は思っています。
そんなエコリス、いよいよ今月発売です。楽しみに待っていてください。