リルテは心配そうにシェルを見ている。マールもいつになく真剣なまなざしをシェルに向けていた。
「不安でない、と言えば嘘になってしまうわね。わたしをきちんと受け入れてくれるか分からないし…」
シェルは素直に二人に告げた。しばし、三人の間に沈黙が流れる。静かな空気に耐えられないのか、ひと際大きな声で
マールが沈黙を破った。
「でもさでもさ、シェルだったら絶対大丈夫だよ!成績優秀だもんね。修業もバッチリ成功するよ!」
「そうだといいのだけれど…。それにこの修行に成績は関係ないわ。しっかりと自分を見つめることが一番重要なことだと思うの」
「自分を見つめること…。シェルちゃんは女王候補だもんね。いろんなことを考えないといけないから大変なの」
「それだけなのかなー?」
「え?」
マールがじっとシェルを見つめている。いつも明るく元気で何も考えていないように見えるマールだが、カンは鋭い。
「何か隠してるでしょ?このマールさんの目はごまかせないよー」
古くから王室関係者を輩出している由緒ある貴族の娘として生まれたシェルは、子供のころから女王候補になるべく育てられてきた。
姉妹もいないため、物事を誰にも相談せず一人で抱え込むことも多い。
大家族の中で育ったマールや音楽家の家庭で自由に伸び伸びと育てられたリルテと少し事情が異なる。
マールが言った通り、確かにシェルには隠しごとがある。