今日はいつものような集中力がなく理解が進まなかった。決して授業をおろそかにしたつもりはなかったが、スーラにはお見通しだったようだ。
「すみません、スーラ先生。今日は集中力が足りませんでした。次回までにしっかり勉強しておきます」
シェルは完璧主義を貫いている。子供のころから女王となるための教育を受けていることで身に付けたことで、しっかり理解した上で次のステップに進むというスーラの教えの影響も多分に受けている。
なんでもそつなくこなすタイプだが、それは完璧主義であることと負けず嫌いな性格からくるものだ。
そんなシェルだからこそ今日の自分の不甲斐なさははっきり自覚している。
「シェル様。夢というものがどのようなものかご存じですか?」
スーラは優しく諭すようにシェルに語りかけた。
「夢…ですか?」
シェルは大きく広大な空で羽を持った自分が自由自在に飛び回っているイメージを想像した。
「やはりシェル様は分かってらっしゃるのですね。安心致しました」
≪夢≫という言葉に対してのイメージを伝えると、スーラは微笑んで話し始めた。
「特にシェル様くらいのご年齢であれば、それは無限に近いほどに広がっているもの。ご自分でその可能性に蓋をなされてしまっては未来が泣いてしまいますよ」
「先生……。わたし……!」