小さな決心 3
『理解するには、経験を積み重ねる他はないんだよ』
ゆうなの言葉が頭をよぎる。
『頭で考えてもわからないのなら、肌で感じるしかないよね』
「肌で、感じる……か」
ゆっくりと起き上がる。
机の上を見ると、小夜子に渡された封筒がそのまま置いてあった。
……同じフォルテール奏者のかぐらの傍にいれば、自分に足りないものがわかるようになるのだろうか……?
ベッドから降りて、封筒を手にした。
「そうね、虎穴にいらずんば、よね」
織歌の胸で、小さな決心が固まりつつあった。
< 続く >
-6-
●ウィンドウを閉じる●