未来への希望 1

「やーん、何だかスッキリしないー、モヤモヤするーぅ!」

ガードレールの上で、手足をバタバタさせてみた。
そして、ふとひらめく。

「あ、そうだ!」

ぴょんと歩道に飛び降りる。

「あそこ、行ってみよう!」
言うが早いか、未羽は駅への道を駆け出していた。

「うーん、やっぱりいないかぁ……」

K駅前ロータリーは、ライブの時より人は少なくて、ゆうながいるかどうかは、駅を出てすぐにわかった。
ガックリした気分で、自動販売機でパックジュースを買って、ガードレールに座る。
このまま帰るのも間が抜けてるよね……どうしようか。
ジュースを飲みながら、ぼんやりと通り過ぎる人の群れを眺めていた。
その時。

「あっ!?」

見覚えのあるポニーテールが目の前を横切った。

「あっ、あのっ!」

思わず駆け寄り、その人の手を掴む。

「あれ……キミは……」
「やっぱり、ゆうなさんですよねっ!」

ゆうなは驚いたように目を丸くして、それから満面の笑みを浮かべた。

「覚えててくれたんだ……キミはかぐらちゃんしか見てなかったのに」

今度は未羽が驚く番だった。

「やーん! どうして、あたしのこと、覚えてるんですかー!?  嬉しいけど、恥ずかしいー!」

未羽の調子に苦笑いをこぼしつつ、ゆうなは微笑みを浮かべる。

「そりゃあ、あんなにキラキラした目で、かぐらちゃんが動く度に顔を動かしてりゃねぇ……。  かぐらちゃんはゲストだったのに、ライブ主としては、ちょっと嫉妬しちゃうな」
「すみませんー」

てへへ、と笑う未羽に、ゆうなは包み込むような優しい微笑みを見せた。

「で、今日はどうしたの?  その制服姿、学校帰りみたいだけど……キミの学校って、この近くじゃないよね?」
「あー……、その……。  かぐらさんのことを聞いてみたくて、ここに来たら、ゆうなさんかかぐらさんに会えるかなーって」
「そりゃ、あたしで残念だったね」
「え、でも、ゆうなさんでも、会えてよかったです!」
「ふーん、『ゆうなさんでも』なんだ?」
「あ、えーっと……」

途端に困った表情をする未羽に、クスクスとゆうなが笑う。

「ごめん、ごめん。キミがあんまり素直だから、ちょっとからかってみただけだよ」
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