I'll do my best. 2

ゆうながまたクスクスと笑う。
「それより、キミの方こそ、どうしてここに来たの?  あたしに会いに来てくれたんなら嬉しいんだけど」
「…………」

ゆうなは無言のまま、買ってきた菓子折りを差し出した。

「何、これ?」
「……受験の件で、相談に乗っていただいたから」
「相談って……織歌ちゃん……」

呆れたような、溜め息交じりの声が降ってきた。
織歌が顔を上げると、憮然とした表情のゆうなが、織歌を見下ろしていた。

「…………」

どうやら自分の行動が、ゆうなを不機嫌にしてしまったらしい。
それがわかったところで、解決方法は思い当たらず、織歌はしょんぼりと俯いてしまった。
頭上から、再び溜め息が降ってくる。

「あのね……友達が悩んでいたら、話を聞いてあげるのって、当たり前のことなんだよ?」
「……?」

呆れた口調に、顔を上げた織歌は、思ってもいなかった優しい微笑みを目の当たりにした。

「ねぇ、織歌ちゃん。 織歌ちゃんは、もしかして、あたしが落ち込んでたとしても、あたしの話を聞いてくれないのかな?」
「そ、そんなこと……!」

反論しようとして、初めて、ゆうなの言いたいことに気づいた。

「だろ?  キミがそうやって気遣って、わざわざお菓子を買ってきてくれたのは嬉しいよ。  でもさ、それは、キミを友達だって思ってたあたしの気持ちに対して考えると、ちょっと失礼ってモンじゃないかな?」
「……ご、めんなさい……」

俯いてしまった織歌の髪を、ゆうなは優しい指でそっと撫でる。

「謝る必要はないよ。  織歌ちゃんは、あたしの言いたいことをわかってくれたんだよね?  なら、次から活かしてくれればいいから」
「……はい」

ゆうなの指がくすぐったくて、けれども、心地よくて、織歌はただじっとして、ゆうなの指が遊ぶままにすることにした。

「ところで、それ、お菓子?」

そう聞かれて、ゆっくりと頷く。

「はい。  お口に合うかどうかわからなかったけれど…
…その、最中です」
「そう」

クスッと笑われて、織歌は菓子折りをそこに置いて、
帰ろうかと思った。
が。

「一人で食べちゃうと太りそうだし、かといって、せっかくの贈り物を無駄にするのは申し訳ないし……ね、織歌ちゃん、一緒に食べよっか」
「……はい?」

予想外の言葉に、織歌はまた目を丸くする。
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