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「ありがとう!
あたし、夏休みを楽しみにしてるね!」
「そんな……あの……、あまり期待しないでね……?」

ビクビクしながらそう言った織歌だったが、幸せそうな満面の笑みを向けられていることに気づいて、嬉しいやら恥ずかしいやら、自分の中に湧き上がってくる理解不能な感情にただ面食らった。
視線をさまよわせた後、チラッとエリカを見上げる。
エリカはまだ満面の微笑を浮かべていた。

「練習途中のつたない演奏を聞きたいなんて……変なの」
「…………」

織歌の言葉に、エリカは絶句したらしい。
それから、エリカは小さく笑う。

「もうっ、織歌さんったら!
最後まで、ゴーイング・マイ・ウェイなんだから」

何故、エリカが笑っているのかわからなかったが、織歌はこっくりと頷いた。

「ええ、わたしはわたしが信じた道を行くわ」
「んもう……織歌さんったら!」

突然、エリカにギュッと抱き締められて、織歌は慌てて、エリカの腕から逃れようとジタバタしてみる。
けれど。

「まったく……もう。
この朴念仁。あたしの気持ちくらい、察してくれたらいいのに……このトーヘンボク」

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非難の言葉を涙交じりの声で囁かれて、織歌はふっと身体の力を抜いた。
何故、そうしたのかは、わからなかったけれど、そうした方が良さそうな気がして、両手をエリカの背中に回してみた。
☆ ☆ ☆
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