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「一枚、頼もうかな」
似顔絵描きをしていた青葉は、じっと相手の顔を見つめた。
二十代後半、眼鏡有、容姿平均以下、理系属性(理屈系)、第一印象内角低め。
……気が乗らない客。
「そう……後悔しないことね」
死の運命を告げる魔女のような口調で言うと、青葉は鉛筆を手に取る。
その目が、きらりんと光った。
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司は、もぐりこんだ古い家で、持ち主である青葉に見つかった。
「実は、これには事情があってな」
「……」
住む場所が無いことを説明する。
青葉は柔らかく微笑んだ。
天使の笑顔だった。
そして言った。
「とっとと出ていきやがれこのウジ虫野郎」
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以下次回>
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